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君の為に出来ること

作者 月星さん


「おにいたま〜!!早く早く〜♪」
「そう急ぐなって・・・」
今、俺は妹の雛子を連れて遊びに行く所だ。
そう彼女の誕生日のこの日に・・・。
「なぁ、ホントにいいのか??プレゼントじゃなくて」
俺は前を元気に歩いている雛子を呼び止めた。
「うん!!ヒナ、1回おにいたまと1日中遊んでみたかったんだもん!」
そう言って雛子は俺に抱きついてきた。
たまにはこんな日もいいだろう。






「おにいたま〜!!ここ、ここ!」
「ああ、遊園地か・・・」
雛子としては遊園地で遊んだあと、美味しい昼食を食べ、また遊びに行こうという魂胆かもしれない。
でも俺は諦めている・・・。誕生日ぐらいわがまま言っても、罰は当たらない。
「あっちぃ〜な・・・」
「大丈夫??おにいたま?」
「あ、うん。平気平気」
とは言ったものの、かなりバテて来てる。ヤバイかもしれない。
しかし、この状態で妹に恥はかかせられない。







「最初は何乗るか??」
「えぇ〜とね・・・うぅ〜んとね・・・」
雛子は数ある乗り物を見渡しながら、頭を捻っていた。
「可愛いなぁ・・・あれなんかどうだ?」
俺が指差したのは観覧車だった。普通、最後に乗る物の定番だが
今の俺の体力はそれどころではなく、涼しい所を体が求めていたのだ。
「ええ!?ヒナね、お馬さんがいい!!」
「馬・・・??っていうとあれか?」
「うん!!」
それはまさしくメリーゴーラウンド。確かにあれにも屋根はあるが・・・。
「な、なあ・・・雛子、馬じゃなくてカボチャに乗らないか??」
・・・サイテーだ。自分から『雛子の誕生日は何でも言うこと聞いてやる』とか言っといて。







その後、俺たちは満足に遊ぶことも儘ならないまま、遊園地をあとにし
一旦家に帰ってきた。・・・何をやっているんだろう。俺は。
「おにいたま??」
そんな気配を察知したのか、気付けば雛子が心配そうに俺を見上げている。
「何でもないよ。ゴメンな、今日は」
「ううん!!ヒナは平気だよ」
俺が雛子の為に出来ること。きっと限られてくるけど
せめて今日ぐらいは立派なおにいたまでいてあげたい・・・。






「なぁ、雛子!これからどうしたい??」
「これから・・・?」
「ああ。せっかくの誕生日だ。楽しまなきゃ損だしな!!」
「うん♪あのね、ヒナ、おにいたまのこともっともっと知りたい!!」
「俺のこと??知って楽しいのか・・・?」
「ぶぅ〜〜!!楽しいよ〜〜!!」
そんな雛子は膨れていた。しかし、俺のことねぇ・・・。
「これは雛子も知ってると思うけど、俺は中学と高校が一緒の学校に通ってるんだ」
「うん!ママがいつか言ってた」
「結構面白い奴ばっかだぜ、俺の学校は・・・。雛子も入ってくれれば分かると思うけど」
「ヒナ、入るよ!!おにいたまの学校」
「う〜ん・・・でも学費が・・・。結構お金がいるんだ」
「そうなの・・・?」
「まあ、そん時は俺が働いて雛子の学費でも何でも稼いでやるかな・・・な〜んて」
「おにいたま〜〜」
「うわぁ!?」
急に抱きつかれた所為で俺はバランスを崩した。
「あ・・・大丈夫??おにいたま」
「大丈夫大丈夫・・・」
口ではそんなことを言っていても身体は痛がっているのが分かる。
大したことはないけれど・・・。雛子が無事でよかったかな??






それからは雛子と沢山おしゃべりをして・・・。
『おにいたま〜今日、一緒に寝てもいい??』と雛子に言われたので
寝てやることにする。といってもまだ先のこと。
課題をそろそろ終わらせとかないとヤバくなって来たからだ。
俺が机に向かって課題と睨めっこしていると、雛子が部屋に入ってきた。
「おにいたま・・・ヒナ、眠くなってきちゃったよ・・・」
時計を見ると・・・なるほど。雛子が起きてられる時間を遥かに越えている。
「分かった。そろそろ寝ようか」
俺も課題の方がさっぱりで、頭が回らなくなってたところだ。






そうだな、課題の方は・・・明日にでもあいつに見せて貰うか。
そして俺と雛子はベットに入り眠りについた・・・。






                                                 Fin







                          あとがき
  
                どうも。月星です。雛子BDSSお届けに参りました。

                  雛子ちゃん、悲惨ですか??BDなのに。

                     兄に振り回されっぱなし・・・。 

                  そんな兄は私立通い・・・。金持ちですね(笑)

                 それでは・・・感想・意見・質問等あれば幸いです。 

                                     月星でした。

 


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