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大変なことになっていました

作者 高原涼風さん


 日曜日、ちょっと近所に買い物に出て帰宅したら大変なことになっていました。

 玄関の前に立った時からいやな予感はしていたのです。
 今にして思えば、その時にダッシュでどこかへ高飛びして置くべきだったのかもしれません。

 中に入ってみたら家は12人の妹の殺気で満たされていました。
 なぜ12人が集まっているのか、彼女たちの事ですから今更尋ねる気さえ起きません。

 どういう経緯でそのようなことになったのかは知りませんが、私をめぐって、12人の妹がこの家でバトルロイヤルをすることに決まったそうです。
 最終的な勝者が私をゲットできるのだそうです。
 私の都合はお構いなしです。
 勝負開始は正午きっかり、家のあちこちに散って、それぞれの場所で妹たちは戦いに向けての準備に余念がありません。

 鈴凛がメカ鈴凛の怪しげな改造を始めたり、千影の周りにおかしなオーラが立ち込めはじめたり、春歌が裂帛の気合で薙刀の素振りをはじめたりしたことはむしろ予想の範囲内で安心できます。
 鈴凛、千影、春歌、今日も元気ですね。

 何と、可憐が何かのマンガのキャラクターの様に手から細いピアノ線を自由自在に飛ばしてカーテンを試し斬りしています。
 ピアノの練習をしていたってこういうことですか。
 今、衛が手刀でガラス瓶を切断しました。
 密かにかなりの鍛錬を積んでいたようですね、整った腹式呼吸と殺気のこもった目でわかります。
 隣室では、いつものドジはどこへやら、花穂が中国拳法の使い手も真っ青にバトンを振り回しています。
 あぁ、そのバトン、中まで鉄ですか?
 可憐、衛、花穂、そんな設定を兄は初めて知りました。

 鞠絵、懐のアンプルは何ですか?
 どこから持ち出したものでしょうか? あと、いつもの穏やかなミカエルはどこですか?
 白雪、包丁は予想通りですが、小麦粉は目潰しだけに使うには量が多すぎませんか?
 まさか「粉塵爆発」なんて言葉を知りませんよね?
 鞠絵、白雪、体力的なハンディを自分にとって身近なもので補おうと、今まで知恵を絞っていたようですね?

 亞里亞、そのふわふわした服の中に仕舞い込んでいるのは短機関銃ですね?
 一体、いつ、誰から手に入れたのですか?
 雛子、廊下や階段に撒いて滑りやすくしその先に剣山を置くとは、シンプルですがいい作戦です。
 あと、ぬいぐるみに針を仕込むとは手が込んでいます。
 亞里亞、雛子、命がけの勝負の前のその無邪気な顔が素敵すぎます。

 四葉、他の妹の殺気が漂うこの状況でも動揺していない様子からするに、全てチェキ済みだったのですね?
 その強敵との戦いに臨む格闘家のような薄ら笑いはやめてください。
 でも、その笑みからすると四葉も何か隠し持つ技があるのですね?
 四葉、せめてもう少し四葉と話をしておいてもよかったのかもしれません。

 さて、私は今、天井裏に隠れています。
 隙を見てこの家を脱出するつもりで、しばらく機会を窺っていましたがどうやら咲耶に気がつかれたようで、密かにあがってきた咲耶のひたひたと迫る気配に、私の体は凍り付いています。
 私をこっそり攫うつもりでしょうか?
 勝負の前にこういうことをするのは「抜け駆け」になるはずですが、それを気にするような咲耶ではないようです。
 咲耶、その炯々たる眼光は獲物を狙う野獣の物です、殺気は他の11人に劣りません。

 あぁ、まもなく勝負が始まるようです。
 家のあちこちから伝わる異様な殺気が一段と強くなって来ました。
 咲耶もゆっくりとですが確実に私のところへと迫って来ます。

 どなたか、私を助けてください、お願いします。

 = = = = =
あとがき
 短いですが、初めてのシスプリ二次創作です。
 私は遅れてシスタープリンセスに萌えまして、二次創作をしてみようと思ったときには、ネット上にシスプリのネタが出尽くしていたようなところがありました。
 「後発」の悲しさで、かなり奇を衒ったような作品でないと、どこかの作品とネタがかぶってしまうものでして、一作目からかなり壊れた話になりました。 (^^;
 今後はなるべくノーマルなギャグ路線で行こうと思いますのでファンの皆様、どうかお許しを。
 


高原涼風さんへの感想はこちら
sispri_forest@hotmail.com
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